「結愛ちゃん浮かばれたらいいな」 主治医が語る改正法

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山田佳奈 上嶋紀雄 松本江里加
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 虐待死を繰り返さないよう、児童相談所の連携強化などを盛り込んだ改正法が成立した。SOSを発していた幼い命をなぜ救えなかったのか。そう問い続けてきた人たちから評価する声があがる一方で、どう実効性をもたせるか課題も残る。

 東京・目黒で虐待の末に亡くなった船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)は、児相や警察などが虐待に気付き、対応にあたったが、救えなかった。父親から命じられ、毎日午前4時ごろに起きて、まだ薄暗い部屋で平仮名を書く練習をさせられていた。自宅に残されたノートには「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」と書かれていた。

 転居前に住んでいた香川県では、近隣住民から虐待を疑う通報が何度もあった。結愛ちゃんは体にけががあり、「パパにたたかれた。怖いから帰るのは嫌」と児相に訴えていた。

 同県で約4カ月間、結愛ちゃんの主治医だった四国こどもとおとなの医療センターの木下あゆみ医師は法改正について、「こうして大人が動いたということで、結愛ちゃんが少しでも浮かばれたらいいなと思います」と一定程度、評価する。

 週1~2回診察し、母親と結愛ちゃんの話を聞くなどのケアをしていた。これだけの頻度で来院を促したのは虐待への強い危機感だった。

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