こんな大河見たことない いだてん、視聴率が計れない熱

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黒田健朗 真野啓太
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 NHKの大河ドラマいだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が苦戦している。6月9日の平均視聴率は6・7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、NHKが把握している1989年以降で大河史上最低を更新した。作品を評価する声はあるのに、なぜ?

 「いだてん」は五輪マラソンに日本人初出場を果たした金栗四三(かなくりしそう)と、64年の東京五輪招致に関わった田畑政治の歩みを描く。大河としては珍しい近現代の物語だ。脚本は人気作家の宮藤官九郎さん、金栗を中村勘九郎さんが演じ、ビートたけしさんや役所広司さんらも出演し、話題性は十分だった。

 ところが、初回視聴率こそ前作「西郷(せご)どん」を上回ったが、2月から6月30日まで20回連続で1桁台。対照的に、山奥の一軒家を訪ねる同時間帯のテレビ朝日系「ポツンと一軒家」は20%前後の高視聴率で、民放関係者は「確実に視聴者が流れている」と指摘する。

従来の固定層がなじめない

 受信料で支えられる公共放送のNHKは、数字に一喜一憂する必要はないはずだが、大河や朝ドラは「NHKの看板番組」。ある幹部は「トヨタでプリウスが売れなかったら問題になるようなもの。公共放送も、放送内容に納得してもらうからこそ受信料を払ってもらえる」と危機感を募らせる。

 低迷の理由はどこにあるのか?

 大河に詳しいコラムニストの…

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