逃亡犯条例、事実上廃案に 香港長官、撤回とは明言せず

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香港=益満雄一郎
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 香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は18日、記者会見を開き、刑事事件の容疑者を香港から中国本土に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」の改正案について、事実上、廃案になるとの見通しを示し、政府としてそれを受け入れる考えを明らかにした。ただ、改正案の即時撤回に踏み込まず、自身の辞任も否定したことに民主派は反発しており、香港の混乱が収束するかは見通しにくい情勢だ。

 主催者発表で200万人規模に達したデモなどで示された市民の強い民意により、香港政府と中国政府が推進した改正案が実質的に断念に追い込まれた形だ。

 林鄭氏は会見で、立法会(議会)での改正案の審議を無期限延期するとの方針を改めて表明する一方、市民の理解が得られない限りは「改正作業を再開しない」と明言した。

 立法会議員の任期が来秋終わり、法案は任期をまたげないため、来夏の最後の議会で可決できなければ廃案となる。林鄭氏はそれを踏まえ、「改正案は来年7月までに成立しなければ失効するが、政府としては受け入れる」と述べた。

 一方、林鄭氏は「市民の政府への信頼を取り戻すため、最大限の努力をする」と語り、自身の任期が終わる2022年まで政権運営に取り組む考えを明らかにした。

 林鄭氏はまた、大規模なデモが繰り返され警官隊と若者が衝突するなど社会の混乱を招いていることについて、「市民に心からおわびする」と謝罪した。

 改正案をめぐっては、香港で…

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