究極の果物皮むき、その奥深き世界 タイ宮廷発祥の芸術

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矢田萌
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 この夏、来年の「オリンピック」金メダルを目指し、スイカと向き合う女性がいます。え? スイカ? 記者が訪ねてみました

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 栃木県那須塩原市の石川幸子さん(47)。スイカやメロンなどの果物にナイフでデザインを彫る「フルーツカービング」で、来年ドイツで開催される世界料理オリンピックに出場予定だ。フルーツカービングは、タイの宮廷で王様への献上物として果物や野菜に彫刻を施したのが始まりといわれているそう。専用のカービングナイフなどを使い、皮と果肉の色の濃淡や、立体的に彫ることで繊細なデザインを表現する。

 食品関連の会社に勤める石川さんは昔から食に関わることが好きで、美術鑑賞も好き。テレビで見かけたフルーツカービングに「好きなものがいっぺんにできる」と一瞬で魅了された。すぐに教室に通い始め、本場タイの大会で優勝するほどの腕前に。やればやるほど奥が深くなり、没頭した。「普段の生活でこれだけ恋い焦がれるような時間はない」と目を輝かせる。

 ただ、作った作品は生の食材なので、長期間の保存はできない。「その人のために、一瞬でその場限りの演出をする、『究極のおもてなし』といわれています」

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 インパクト抜群のスイカは…

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