調査への貢献度、課徴金の減免に影響 改正独禁法が成立

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中野浩至 聞き手・中野浩至
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 協力すれば、課徴金を減らす――。談合やカルテルをした企業に課せられる課徴金の減免制度を見直した改正独占禁止法が、今国会で成立した。これまでは自主申告が早いほど減額幅が大きかったが、改正案では調査への協力度合いも加味される。ただ、評価の基準は示されておらず、「公正取引委員会の権限が強くなりすぎないか」との懸念の声もあがる。

 課徴金の減免制度は2006年に導入。リニア中央新幹線の建設工事の談合事件など、今年3月までに計1237件の申告があった。談合やカルテルといった不正は複数の企業によるすり合わせで成立する。このため、不正の全体像を把握するため、不正を自主申告した企業は申告順に応じて課徴金が減る仕組みだ。

 ところが、「申告したとたん、調査に協力しなくなる企業があった」(公取委幹部)という実情もあった。課徴金の減額が決まってしまえば、それ以上の不正を申告する必要はないとの考えからだ。

 成立した改正法では、違反を申告した順位ごとの減免率に加え、その後の調べにどれほど協力したかの査定に応じて減免率を上乗せする。評価の対象として公取委が現段階で示しているのは、不正に加わった業者名や数、不正の手口や時期などだ。重要な証拠を出すなど調査への「貢献度」が高ければ、減免率は最大で40%が上乗せされる=表。

 施行は遅くとも20年12月になる見通しで、評価の基準となるガイドラインは、パブリックコメントを経て決めるという。

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 一方、6月13日の参院経済…

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