「被爆の十字架」写真と特徴一致 天主堂で朝日記者撮影

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榎本瑞希
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 原爆投下後に米兵が入手したとされ、長崎に今夏贈られる予定の十字架が、旧浦上天主堂にあったものだと裏付ける有力な証拠が確認された。被爆直後に朝日新聞社のカメラマンが撮影した写真に旧天主堂と写っていた十字架の特徴が、一致した。長崎で写真調査を続けてきた被爆者の深堀好敏さん(90)らが、複数の写真を見比べて特定した。

 十字架は、1945年秋に長崎に進駐した故ウォルター・フーク氏が米国に送った。破壊された旧天主堂付近にあったものを当時の長崎司教から譲り受けた、と生前に証言していた。だが、実際に旧天主堂にあったかなど詳しいことは分かっていなかった。高さ1メートルほどの木製で、金色の縁取りがある。

 写真では、大破した旧天主堂のがれきの中に十字架が横たわっている。45年8月25日に長崎入りした朝日新聞出版写真課員の故松本栄一氏が撮影した。裏書きの記載から、撮影時期は同年9月とみられる。松本氏が「撮影地を特定して役立ててほしい」と、深堀さんらに79年に寄託した約300枚の中の1枚だった。

 浦上教会の信徒でもある深堀さんは写真の十字架を40年近く探し、司祭や信徒10人ほどに尋ねたが手がかりは得られていなかった。

 フーク氏から十字架の寄託を…

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