タイムマシンの代わりに望遠鏡 138億年前の宇宙の姿
村山斉の時空自在〈7〉
私たちがどこから来たのかを知るためには、どうしても欲しいのがタイムマシンだ。残念ながらタイムマシンで昔に戻ることはできないが、代わりに役立つ道具が望遠鏡だ。実は遠くを見ると昔の宇宙が見えるのだ。
アンドロメダ銀河は肉眼で見える。私たちの銀河系の外、約250万光年離れた別の銀河で、1兆個ほどの星の集まりだ。もしアンドロメダにいる宇宙人が今地球に望遠鏡を向けると、私たちはまだ猿に見える。250万年昔に地球を出た光が今届くからだ。
大きな望遠鏡で遠くを見ると、何十億光年も先にも銀河がたくさんある。そこの宇宙人が地球を見ると、私たちはまだ単細胞動物だ。
宇宙は膨張している。銀河は遠ければ遠いほど、私たちから速く遠ざかっているように見える。いったい何が起きているのか。
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宇宙が風船の表面だと思って…
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