「ココカラ」奪い合うドラッグ2社 引くに引けない理由

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神沢和敬 石塚大樹 大和田武士
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 ドラッグストア大手のココカラファインに対し、同業大手のスギホールディングス(HD)とマツモトキヨシHDの2社が経営統合を持ちかけ、ココカラ争奪戦を繰り広げている。ともに創業家の影響力が強いスギ、マツキヨのどちらと組んでも業界首位に躍り出るのは確実で、ココカラの判断に注目が集まる。他業態を交えた競争激化で業界全体が消耗戦に陥っており、ココカラ争奪戦がさらなる再編の呼び水になる可能性もある。

出店しても競合だらけ

 ドラッグストアは、新規出店を続けてスーパーやコンビニから客を奪い、市場規模を拡大してきた。キッチン用品などの日用消耗品、飲料や食料品などを格安で売って客を呼び込み、薬や化粧品、PBなどで利益を確保する戦略で急成長を遂げた。日本チェーンドラッグストア協会によると、18年度の業界全体の売上高(推定)は前年比6・2%増の約7兆2744億円。店舗数は同694店増の2万228店にのぼる。

 だが、最近は人口減少や人手不足に加え、スーパー、コンビニとの業態を超えた競争も激化している。

データマーケティング会社「True(トゥルー) Data(データ)」の担当者は「既存店が伸び悩み、新規出店しても周囲は競合だらけ。価格競争に陥る悪循環が続いている」と話す。

 東京都千代田区のオフィス街。ドラッグストア2店とコンビニ1店がひしめく一角では、大手コンビニの店が170円で売っているスナック菓子を、ドラッグストア大手は127円、別の同業大手は159円で売っていた。「商品を納める際の値決めの交渉では、どうしても巨大な販売網がある企業が有利になる」(飲料食品メーカー)という。

 厳しさを増す経営環境を背景…

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