「統計的に有意」誤解の温床で有害 ネイチャー論文波紋

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勝田敏彦
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 薬の効果を確かめる論文や世論調査などで表れる「統計的に有意」という考え方は有害で、やめるべきだ――。そんな論文が英科学誌ネイチャーに投稿され、波紋を広げている。統計的に有意かどうかはもともと、ある結果が偶然かどうかを判断する指標に過ぎないのに、それが独り歩きして判断を誤る原因になっているからだ。世界の800人以上の研究者がやめることに賛同した一方、科学的な判断や意思決定にも影響しかねないと反論も出ている。

 論文は、疫学や統計学などが専門のスイスと米国の研究者3人が執筆した。抗炎症薬の副作用について、実際にあった不思議な「矛盾」を紹介している。同じ薬の副作用を調べたのに、ある試験は薬と副作用に「関係がある」とし、2年後の別の試験は「関係なし」と結論づけた。

 なぜこのようなことが起きるのか。論文は「統計的に有意」の解釈が誤っていたからだと書く。

 「統計的に有意」とは、ある…

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