世界王者も思わず絶叫 柔道代表が体験の過酷トレとは

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波戸健一
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 屈強な男たちが、「レンジャー」と叫び声を上げながら荒野を駆ける。柔道男子日本代表のトレーニングの一場面だ。場所は陸上自衛隊習志野駐屯地千葉県)。「非日常の環境に対応する」をテーマに、1泊2日の体験入隊に臨んだ。

監督は「神様のプレゼント」と歓迎

 報道陣に公開された初日の15日は、横殴りの雨が吹きつけていた。「空を見て、これでやるのかと驚いた」。男子66キロ級の丸山城志郎(ミキハウス)は、思わず漏らした。ただ、異例の活動を発案した井上康生監督にとって過酷な荒天は、「神様のプレゼント」と望むところだ。

 初っぱなは、鉄塔からワイヤをつけて飛び降りる訓練だった。塔の高さは11メートル。自衛隊の広報担当者によると、「人間が最初に恐怖を感じる高さ」だ。

 体重が軽い階級から次々に鉄塔に上った。2番目に挑んだ男子60キロ級世界王者の高藤直寿パーク24)の絶叫が響く。「怖いよ~」

 何度も飛ぼうと前に出るが、下を見ては腰が引けた。踏ん切りがつかない姿を見て、指導役の自衛官が地上からげきを飛ばす。「高藤選手、これを飛んだら金メダルが取れると思って」。ちゅうちょすること約7分。両目をぎゅっと閉じて飛び出した。

 雨風がさらに強くなり、今度…

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