渡部耕平
「森の中のティールーム」と呼ばれる庭園が秋田市の郊外、河辺畑谷(かわべはたや)にある。毎年6月、訪れた人たちがバラをめでながら、コーヒーや紅茶を楽しむ「オープンガーデン」が15年目を迎えた。今年の開園は19日から4日間。バザーなどの売り上げを海外の支援に役立てる「チャリティーの庭園」として親しまれている。
自宅の庭園を開放しているのは、パッチワーク講師の和田睦子(むつこ)さん(77)。約2300平方メートルの庭には、シラカバやブナ、アジサイやツバキなど約20種類の木々や草花が茂る。6月は木漏れ日の中で66本のバラが咲き、園内の手芸店や木陰のテーブルで喫茶もできる。「親しい人から『森のさわやかな風を感じながら、お茶をするのが楽しみ』と喜ばれます」と和田さん。期間中は約300人が訪れ、憩いの場になっている。
特徴は海外へのチャリティー活動だ。手作りの衣服や雑貨などを園内で販売し、売り上げの全額(毎年約30万円)を寄付している。送り先は「日本キリスト教海外医療協力会」「日本国際飢餓対策機構」「国境なき医師団日本」など、海外の医療や貧困に手をさしのべている団体だ。
きっかけは40歳のとき。医師…