絶叫マシン、あの浮遊感設計したのは私 原点は黒部ダム

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生田大介
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凄腕しごとにん 三精テクノロジーズ 上野達弘さん(44)

 レールの全長1530メートル、最高部は地上55メートル。ナガシマスパーランド(三重県)の目玉施設として3月にオープンした大型ジェットコースター「白鯨」。この製造を米国企業とともに手がけた三精テクノロジーズ(大阪市)の設計チームのリーダーだ。入社以来、こうした遊園地などにある「遊戯機械」の設計を一貫して手がけてきた。

 白鯨を支えるのは、4LDKの家屋約800戸分の木材。そのうち約2万7千本の木材と、約900本の鋼材の接合点のボルト一つひとつについて、車両が走った時にかかる加重を計算し、耐えられない部分に補助的な部材を加えていく。木材は力がかかる向きで裂けやすさが違い、木材の方向も計算に入れるプログラムを自ら作った。

完成まで3年

 通常の大型のコースターは安全バーを体の上から下ろして上半身を固定する場合が多いが、白鯨は下方から太ももと足首を押さえる装置だけ。それによって、「おしりが座席から浮く時間が長く、宙に浮いているような浮遊感が味わえる」という。

 乗客がどんな動きをしても車両から落ちないことを確認するため、座席の模型をつくり、人を乗せて検証を繰り返した。

 この世界の設計がユニークな…

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