さあ最難関の独奏へ、自分を鼓舞する「もう一人の自分」が見せた成長(奏でるコトバ、響くココロ)

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常総学院高校(上)

私のソロを聞いて!!

 茨城県の名門、常総学院高校吹奏楽部。全日本吹奏楽コンクール全国大会に20回出場し、金賞14回を数える。千葉県の市立柏高校、市立習志野高校とともに「東関東の御三家」とも称される。トレードマークは臙脂(えんじ)色のブレザーだ。

 常総学院では、全国大会を目指すA部門のメンバー55人を「雪組」(全国大会に「行く」という意味)、それ以外を「星組」(いずれ星のように輝くことを目指すという意味)と呼んでいる。

 2018年春。2年生でオーボエ担当の「マホ」こと新井真歩は念願の雪組メンバーに選ばれた。

 マホは1年生のとき星組の一員として、コンクール地区大会で上位大会には進まないC部門に出場した。自由曲《歌劇「トゥーランドット」より》(プッチーニ)のソロで大きなミスをした。極度の緊張から、もっとも大事な第1音にまったく違う音を出したのだ。

 「去年、あんな大失敗をしたのに、先生は自分を雪組に選んでくれた……。今度こそ絶対に期待に応えなきゃ!」

 この年、顧問の本図智夫(もとず・ともお)が決めた課題曲Ⅰ《古き森の戦記》(塩見康史)と自由曲《交響詩「ドン・ファン」》(リヒャルト・シュトラウス)には、いずれもオーボエのソロがあった。本図はそのソリストに2年生のマホを指名したのだ。

 課題曲のソロは第1音が高音…

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