ひきこもり中年「誰もがなりうる」 当事者が抱える事情

【動画】「誰もがなりうる」ひきこもり経験者が語る=矢木隆晴撮影
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 川崎市の20人殺傷事件の容疑者や東京都練馬区で元農林水産事務次官に殺害されたとされる長男が、「ひきこもり」傾向だったと報じられ、偏見を懸念する声があがっている。ある当事者はそうした事態に「見えないものは怖いんだと思う」と話す。国内で「100万人以上」ともされる「ひきこもり」。それぞれどんな事情で家以外の居場所を失ったのか。くらしの困りごとや疑問を募って取材している朝日新聞「#ニュース4U」が、支援の現場などを訪ねて話を聞いた。

20年間「ひきこもり」男性が初めて

 京都市内の古びた住宅。40~50代のひきこもりの人と家族を支援する「市民の会 エスポワール京都」の集会所だ。

 今月6日昼すぎ、黒のパーカを着た中肉中背の男性(44)が訪れた。20代半ばから約20年間、家に「ひきこもってきた」が、今回の二つの事件を受けて、初めて外部に相談にきたという。

 両親は70代後半。「僕自身はあんな事件を起こそうなんて全く思わない」けれども、「親の死後の生活」が事件の報道を見ていて心配になったという。「もう手遅れかもしれないですけど。44歳で」と男性は話した。

 中学でいじめられ、高校でも友達がいなかったという。京都大学に合格したが、最初の4年間は「うつ的な感じ」で通えなかった。「心の病の知識が僕になかった」といい、単位を取りきれずに中退した。

ひきこもりの人たちが社会につながるきっかけをつくるには、どうすればいいのでしょうか。大阪府豊中市社会福祉協議会では、独自のプログラムに誘い、120人の人が家以外の「居場所」を得たといいます。参加した女性にも話を聞きました。

就職なんかできるわけない、自分責めた

 当時は就職氷河期だった。う…

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