サミットの料理請負人に聞く G20、食の外交の秘訣は

有料記事G20大阪サミット

聞き手・半田尚子
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 28、29日に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議G20サミット)。各国の首脳らを迎える日本は、どんな料理でもてなすのか。2000年7月、主要8カ国(G8)による九州・沖縄サミットの晩餐(ばんさん)会メニューを監修した辻調理師専門学校校長の辻芳樹さん(54)に、当時の苦労話やG20サミットのメニューへの期待を聞いた。

 話が舞い込んだのは、サミット開幕の約8カ月前のことです。当時の小渕恵三首相からの依頼で、サミットの演出担当で元劇団四季代表の浅利慶太さんから、当時劇団四季役員で音楽評論家の安倍寧さんを通じ、「料理を担当してほしい」とお願いがありました。私は当時、35歳でした。

 小渕首相からの要望はただ一つ。「沖縄の特色を思う存分出してほしい」ということでした。

 沖縄は、肉と野菜のクオリティーが特に高い。ヤギからイラブー(ウミヘビ)、石垣牛、虹色の魚たち。月に2回は沖縄へ足を運び、漁師や農園を回って食材を吟味しました。

 器にもこだわりました。那覇市内の美術館で見つけた器が気に入り、似ている陶芸家を探し出して、食器作りをお願いしました。

 試行錯誤の結果、沖縄の食材をふんだんに使ったフランス料理に決め、半年ほどかけて、全7品のメニューを考えました。開催の約1カ月前、病に倒れた小渕首相の後を継いだ森喜朗首相に飯倉公館(東京都港区)で試食していただき了承。ようやくコースが完成しました。

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 主なメニューは、沖縄の伝統…

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