パレスチナ、ひそかに閣僚給与1.6倍に 批判受け撤回

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ラマラ=高野遼
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 パレスチナ自治政府が2年前から、ひそかに閣僚の給与を法定の1・6倍に上げていたことが内部文書の流出で判明した。財政難が続くなかでの発覚に、市民からは怒りの声が出ており、政府は即座に賃上げの取り消しを表明した。

 自治政府の閣僚の給与は法律で月給3千ドル(約32万円)と決められている。しかし、SNS上に流出した内部文書などによると、2017年から月給5千ドル(約54万円)に引き上げることを閣僚が提案し、アッバス議長が認めたという。法改正はせず、賃上げの事実は公表されなかった。政府関係者は取材に対し「内部文書は本物で、賃上げは事実だ」と証言した。

 発覚を受け、国連のムラデノフ特別調整官(中東和平担当)は6日、「市民が厳しい経済状況に置かれているなか、賃上げの判断は理にかなわず、人々の怒りを呼ぶ」とコメント。自治政府は、賃上げを取りやめる意向を表明した。今後の対応によっては、低迷するアッバス議長への支持がさらに低下する恐れがある。

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