虐待描いた「永遠の仔」 天童荒太さんが今考えること

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平出義明
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 「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」

 「お父さんにぼう力を受けています」「先生、どうにかできませんか」

 東京・目黒で昨年亡くなった5歳と、千葉・野田で今年死亡した10歳。親から虐待を受けていたとされる女の子2人の訴えは、届かなかった。

「永遠の仔」(1999年)で描かれた児童虐待。その後も頻発する悲劇を、著者の天童荒太さんはどう見ているのでしょうか。

 事件を受けて国は児童相談所(児相)の体制強化などに動いている。だが作家の天童荒太(てんどうあらた)さん(59)は、子どもの虐待がテーマの小説「永遠(えいえん)の仔(こ)」(1999年)の創作体験から「虐待が起きた後の対処にすぎない」と顔を曇らせた。「上流でダムが決壊しているのに、下流で土囊(どのう)を積んでいるに等しい」

 孤立の中で子育てをする母親…

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