米政権、胎児組織使う研究打ち切りへ 中絶反対派配慮か

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ワシントン=香取啓介
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 米トランプ政権は5日、胎児組織を使った公的研究を打ち切る方針を明らかにした。人工妊娠中絶された胎児が使われることから、中絶反対派が長年求めてきたもので、トランプ大統領の支持基盤である保守派にアピールする狙いがある。一方、大学や科学者からは「政治目的だ」と反発の声が上がっている。

 米厚生省は声明で、カリフォルニア大サンフランシスコ校(UCSF)が2013年から行ってきた胎児組織を使ったHIV治療研究への、年200万ドル(約2億2千万円)の助成を打ち切ると表明。米国立保健研究所(NIH)内で胎児組織を使った研究も行わないとした。NIHでのこうした研究費は昨年、3100万ドルに上ったという。

 他の大学や研究機関ですでにNIHが助成している約200件の研究は続けられるが、更新や新規提案にあたっては「倫理面に照らして」審査を強化するとしている。「受胎から自然死するまで、命の尊厳を促進するのが、トランプ政権の最優先事項だ」と述べた。

 胎児組織は幹細胞研究や、パ…

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