日本・ポーランド、現代美術の競演 共通するものとは?

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田中ゑれ奈
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 日本とポーランドの国交樹立から今年で100年。両国の作家21組による記念展「セレブレーション―日本ポーランド現代美術展―」が、京都市内の3会場で開かれている。歴史的・文化的背景の異なる若手・中堅作家たちの競演からは、それぞれの国が持つ「らしさ」のイメージを超えたある共通性が見えてくる。

 今展は京都のほか、ポーランドのポズナニ、シチェチンの2都市で開かれる。参加作家全員が相手国への滞在経験を持ち、出展作品には現地での取材を反映した新作が多く含まれる。

 ウーカシュ・スロビエツは広島の原爆犠牲者の墓地で採取した植物を使って標本を制作した。阪神・淡路大震災で自宅が全壊した経験を制作の原点とする松田壯統(まさのり)は、ユダヤ系哲学者レビナスの思想をモチーフにしたインスタレーション「イリヤ―存在の彼方(かなた)へ―」を発表。個人的な追悼の気持ちを表す赤い花ホロコーストと震災を連想させる要素に添えることで普遍的な「追悼の場」へと発展させ、想像が難しい他者の気持ちや立場を「完全に理解し交換する」可能性を探る。

 社会、経済の仕組みや日常の…

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