「反移民」に転じた左派、政権奪取へ デンマーク総選挙
デンマークで5日、総選挙(一院制、定数179)の投開票があった。野党・社会民主党を中心とした左派陣営が過半数を獲得し、ラスムセン首相率いる自由党などの右派陣営から4年ぶりに政権を奪い返す見通しとなった。従来の左派勢力が移民抑制の強化に転じ、右派勢力から支持を奪った結果とみられる。
地元メディアなどによると、開票はほぼ終わり、社民党は得票率26%で第1党となり、左派陣営全体では91議席を獲得する見通しだ。社民党のフレデリクセン党首は6日未明(日本時間同日朝)、「有権者は新しい方向性と政府を選んだ」と勝利宣言した。同氏は近く、同国で2人目の女性の首相に就任する見通しだ。
第2党の自由党は23%と2015年の前回より得票率を伸ばしたものの、移民排斥を訴える閣外協力のデンマーク国民党が前回の21%から9%へと大幅に支持を減らし、右派陣営全体では退潮となった。ラスムセン首相は敗北宣言をしたうえで、自由党と社民党で連立与党を組みたい意向を示した。
社民党は今回、移民流入の抑制策の強化や、福祉を支える公的支出の拡大などを訴え、支持を広げた。
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