バブルの権化か 異彩放つ風俗街の廃虚ビル、誰が買う?

有料記事

笹山大志
[PR]

廃虚探訪in茨城<第2回>

 全国に残る「廃虚」を巡る情報は、ネット上で静かな人気を呼んでいます。写真の存在感の強さが目立ちますが、廃虚になった背景からは、その土地の歴史や時代の変化が見えてきます。今回、訪れたのは水戸市にある通称「クイーンシャトー」。性産業の哀愁を残す廃虚に隠されていたエピソードを探りました。

 JR水戸駅から車で約10分。天王町の風俗街の一角にその廃虚はあります。建物の大きさとデザインがバブル時代を感じさせます。

 5階建てで、正面には大きなクイーンが描かれています。風俗店といえば、雑居ビルの一室に入居しているイメージですが、建物全体が一つの風俗店。昔の客の羽振りの良さが伝わってきます。

 ただ、閉店してしばらくたった現在は全ての窓ガラスが割られ、建物の半分がツタで覆われています。雰囲気は東京ディズニーシーのアトラクション「タワー・オブ・テラー」とそっくりです。

 1階部分は鉄板のバリケードが張り巡らされていて、立ち入り禁止の文字。現在、中には入れません。

呼び込みのベテランに会う

 「クイーンシャトー」がどんな店だったのか。廃虚周辺の風俗店で聞き込みをしました。

 取材を続けていると、天王町に来て40年になるという老舗風俗店の呼び込みのベテランの男性(70)に出会いました。男性によると、廃虚の正体は高級ソープ店。40年前に天王町に来た時には既にあったということで、歴史は40年以上前にさかのぼると見られます。

 男性は一度だけ建物の中に入ったことがあります。「確か、正面入り口には守衛が立っててな、中に入ると大きい噴水があるんだよ。床は一面大理石だったかな」。風呂場にも大理石が使われていたそうです。

 取材では真偽まで確かめられませんでしたが、和歌山県の業者が経営していたという説もあります。

茨城の廃虚を巡るシリーズの第2回です。全3回。この廃虚をどうして買ったのか、所有者がインタビューに応じました。

所有者を探せ

ここから続き

 40年前にオープンした当時…

この記事は有料記事です。残り1485文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら