81歳の車、暴走する映像 600m手前で最初の事故

有料記事

【動画】中央車線近くを猛スピードで走る事故車両。200メートルほど先の交差点で別の車両と次々に衝突した=読者提供
[PR]

 福岡市早良(さわら)区の市道交差点付近で4日、男女計9人が死傷した事故で、計5台の車と衝突や接触を繰り返した車は、制限速度の50キロを大幅に上回るスピードで交差点に突っ込んだ可能性が高いことが、捜査関係者への取材でわかった。現場周辺に目立ったブレーキ痕はないという。最初の衝突事故は、交差点の約600メートル手前で起こしていた。

 福岡県警早良署によると、病院に搬送された9人のうち、衝突を繰り返した車を運転していた同区原3丁目の小島吉正さん(81)と助手席にいた妻の節子さん(76)が4日夜に死亡した。死因は小島さんが出血性ショック、節子さんが重傷胸部外傷だった。

 小島さん夫妻を除く14歳から52歳の7人のうち、男性(35)が骨盤などが折れる大けがで、ほかの6人は首の痛みなどの軽いけが。

 小島さんの車が暴走する様子は、福岡市早良区百道(ももち)2丁目の早良口交差点近くにあった防犯カメラが3方向から捉えていた。乗用車が交差点に向かって中央線の上を猛スピードで走り、対向車と接触。そのまま通り過ぎる映像が残っていた。沿道の通行人が驚き、後ずさりする様子も映っていた。

 署によると、小島さんの車は4日午後7時5分ごろ、交差点の約600メートル手前で、進行方向が同じ乗用車に追突。交差点の約200メートル手前で反対車線を走る軽乗用車の右側サイドミラーと接触、この付近から逆走を始めた。さらにタクシーと衝突した後、交差点に入り、車2台とぶつかったという。

 捜査関係者によると、現場で目立ったブレーキ痕は見つかっていないという。防犯カメラの映像でも車を避けたり、減速したりする場面は見られず、県警はブレーキをかけないまま、交差点へ突っ込んだ可能性があるとみている。

 小島さんは昨年夏、運転免許を更新。最近は、無事故だったという。県警は司法解剖で詳細な死因や疾患を調べるとともに、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで捜査を進める。

■相次いだ高齢者の運転による…

この記事は有料記事です。残り399文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら