「レミゼ」初出演の屋比久知奈 「濃密な時間を」

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文・増田愛子 写真・山本倫子
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 日本初演から30年以上が経つ今も、ミュージカル「レ・ミゼラブル」は、多くの観客を魅了し続けています。今年、東京を皮切りに全国5大都市で行われているツアー公演には、初めて「レミゼ」の舞台を踏む新キャストたちも。その一人、エポニーヌ役で出演中の屋比久知奈(やびくともな)さんに、話を聞きました。

 1987年の日本初演以来、オーディションによるキャスティングで、多くの新星を生み出してきた、ミュージカル「レ・ミゼラブル」。4月に東京・帝国劇場から始まった公演で、エポニーヌ役の1人として初出演を果たした。「初日のカーテンコールでお客様にスタンディングオベーションを頂き、『あの帝劇で、客席から見ていた景色を舞台の上から見ている』と、初めて実感が湧きました」

 出身は沖縄県。バレエ教師の母に勧められるまま、4歳で踊り始めた。歌うことも大好き。両親は折に触れ、舞台を見るため東京に連れて行ってくれた。初めて見たミュージカル「ライオンキング」のCDを何度も聞き、自分で歌えるようになるほど夢中になった。

 転機は、英語を学んでいた琉球大2年生の時に訪れる。学内の英語ミュージカルに参加。「改めて、楽しいなと意識して。仕事にすることができたら、幸せだと思うようになりました」。指導役の教員に勧められ、沖縄と東京で公演をするミュージカルのオーディションに挑戦し、出演。そして2016年、ミュージカル歌曲で競う、全国区の「のど自慢」で応募総数2千余組から最優秀賞に選ばれ、現在の所属事務所の目に留まる。翌年、ディズニー・アニメ「モアナと伝説の海」の主人公の吹き替えと主題歌で、デビュー。「長かったような、あっという間だったような。濃密な時間を過ごさせて頂いています」

 エポニーヌは、青年マリウス…

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