食料、医薬品、燃料が手に入らず、人道危機が続く南米ベネズエラ。独裁を強める政権も、政権打倒を呼びかける野党勢力も、この苦境を脱する処方箋(せん)を示せない。庶民は政治に翻弄(ほんろう)され、心身ともに疲れ切っている。
ベネズエラでは独裁体制を固めたマドゥロ大統領と野党勢力の対立が続くが、どちらも求心力を失っており、先行きは見えない。
野党側は、暫定大統領就任を宣言したグアイド国会議長が4月30日、マドゥロ退陣を求めて軍に決起するよう促したが、賛同は広がらず、失敗した。これ以降、野党勢力の抗議集会の参加者は減っている。
野党のレンソ・ピエトロ国会議員は朝日新聞の取材に「より組織的な活動に切り替える準備をしている」と語り、戦略の練り直しを進めていることを認めた。
野党勢力を支持する米国は、ベ…