離婚した両親、取り戻した会話 国境紛争越え、春はきた

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石原孝
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 昨年7月、20年以上も国境を巡って争い続けてきた東アフリカのエリトリアとエチオピアに雪解けがやってきた。両国首脳が会談し、外交関係の再開を決めたのだ。

 そのニュースを感慨深げに見守る男性が米国にいた。航空会社に勤めるヤマネ・ベルハネさん(48)。父がエチオピア、母がエリトリアの出身。二つの祖国の間で翻弄(ほんろう)されてきた。

 エリトリアがエチオピアに併合されていた1971年に生まれた。間もなく、エリトリア人民解放戦線(EPLF)による独立闘争が激化。一家は戦禍を逃れるためスーダンに避難。87年には米国に移住した。

 91年5月、EPLFはアスマラに攻め込み、独立を手中にする。だが両親やベルハネさんのきょうだいの中で、独立の是非について意見が分かれた。両親は離婚。長男のベルハネさんは責任を感じ、自分の出生について口をつぐむようになった。

 両国は98年、国境をめぐっ…

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