飲酒強要されて死亡、ホストの労災認める 大阪地裁

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遠藤隆史
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 大阪・ミナミのホストクラブで働いていた田中裕也さん(当時21)が急性アルコール中毒で亡くなったのは接客中に多量の飲酒を強要されたからだとして、堺市の両親が労災認定を求めた訴訟の判決が29日、大阪地裁であった。内藤裕之裁判長は、飲酒死は業務が原因だったと認め、遺族補償給付などを支給しないとした国の処分を取り消した。

 原告側代理人の松丸正弁護士は「飲酒を伴うサービス業務中の事故を労災と認めた初めての判断ではないか」としている。

 判決によると、田中さんは2012年4月ごろから大阪市中央区のホストクラブに勤務。場を盛り上げる「ヘルプ」として、店の先輩ホスト2人と同じテーブルで接客した後の同年8月1日午前7時半ごろ、店内で泡を吹いて倒れているところを発見され、病院に搬送されたが亡くなった。

 判決は客の証言から、田中さんが先輩ホストらから「なにチビチビ飲んでんねん」などと、濃い焼酎やテキーラを飲むよう強要されたと認定。店のナンバーワンホストで指導的立場だった先輩ホストらによる強要は、拒絶が極めて困難であるうえ、酒を消費して店の売り上げ増加につながる行為だったとして、業務の一環にあたると判断した。

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 国側は「店は過度の飲酒を禁…

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