超人気ドラマGOTとシリアの違い 国連で真剣に議論

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ニューヨーク=藤原学思
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 内戦が続くシリアの情勢をめぐって28日に開かれた国連安全保障理事会の会合で、各国外交官が世界的な超人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)」を引き合いに、論争を繰り広げた。撮影場所が観光地化するなど、社会現象を巻き起こした番組だが、その真意は――。

 シリアでは、アサド政権軍と政権を支援するロシア軍が、反体制派最後の大規模拠点である北西部イドリブ県への攻勢を強めている。国連によると、4月末以降、少なくとも市民160人が死亡し、22の医療機関が攻撃を受けたという。

 赤道ギニアの代表はそうした現状に触れた後、突然、「GOTは権力闘争をする貴族間の物語だ」と切り出した。

 今月最終回を迎えたばかりのGOTの終盤では、怪獣ドラゴンが都市を焼き尽くし、無実の市民が殺され、既存の社会、経済システムが崩壊する様が描かれた。

 同国代表は「現実に街を破壊するためには、ドラゴンは必要ない」と皮肉を言い、「ドラマでの死や破壊は作り話だが、シリアでは本当に起きている」と強調。「これ以上が犠牲者が出ないよう、影響力のある国はどうか参考にしてほしい」と訴えた。

 これを受け、ポーランド代表も用意していた原稿から顔を離し、「GOTと我々の世界の最も大きな違いは、GOTにはルールがなく、我々には国際人道法があることだ」と追随。アサド政権軍側による医療施設への攻撃が同法違反であることを暗に指摘した。

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 一方、ロシアの代表は「GO…

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