「乳化剤不使用」なのに同成分検出 パンの表示見直しか

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小林未来 野村杏実
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 市販されているパンの袋にある「乳化剤は使用しておりません」といった表示について、パン業界内外から不適切だとの声が上がり、政府も是非の検討に乗り出す。何が問題なのか。

 「乳化剤不使用」と表示された他社製品から、乳化剤と同じ成分が検出された――。業界大手の山崎製パンが3月、こんな調査結果を公表し、「不適切な表示であり、直ちに取りやめるべきだ」と訴えた。

 パンの保水性を高めて長く柔らかさを保ったり、機械による生地の傷を減らしたりするため、同社は乳化剤を製パン工程で使っている。食品表示法に基づき、商品に食品添加物として表示している。

 一方、乳化剤をそのまま添加する代わりに、卵黄油や酵素を使って乳化剤と同様の成分を製品中に生成する製法がある。同社が他3社の3製品を科学的に分析したところ、こうした代替技術を使っていると推測できるという。乳化剤を使った場合と品質面で大きな差はないとし、「表示義務を回避する加工方法を採っている」と指摘する。

 厚生労働省消費者庁によると、卵黄油は「食品」扱い。酵素は食品添加物にあたるものの、最終的に商品に残らないかわずかに残っても影響がないため、表示は免除される。実際、「不使用」表示をしているある社は、取材に「法にのっとっている」と説明した。

 山崎製パンは各社の製法に異…

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