パワハラ、本当に減らせる? 「加害者が社長だったら」
職場でのパワーハラスメント(パワハラ)を防ぐため、企業が防止策に取り組むことが法律で義務づけられる。被害が深刻化するなか、国による対策が「一歩前進」した形だが、日本のハラスメント規制は、世界各国の取り組みに比べて遅れているとの指摘もある。
厚生労働省によると、2017年度に全国の労働局に寄せられた労働相談のうち、パワハラなどの「いじめ・嫌がらせ」は約7万2千件で相談内容別で6年連続のトップだった。件数は15年連続で増えている。
厚労省によるこれまでのパワハラ防止の取り組みは、企業の自主的な努力を促す周知・啓発にとどまり、パワハラはいわば「野放し」にされてきた。どんな行為がパワハラに当たるかの線引きが難しいとして、経営者側が法制化に反対し、議論がまとまらなかったからだ。
企業にパワハラ防止策を義務づけたことは一歩前進といえる。加害者がパワハラをしなくなったり、被害者が相談窓口に駆け込んでパワハラの解決につながったりすることが期待される。「パワハラは許されない」というメッセージを世の中に発信する効果もあるとみられる。
企業には今後、加害者への懲戒規定をつくり、相談窓口を設けるなどの防止策が求められる。ただ、これでパワハラをどれだけ減らせるかは不透明だ。
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