日米貿易めぐり閣僚級会合 トランプ氏の「むちゃ」警戒

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西山明宏 青山直篤 北見英城
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 27日の日米首脳会談で貿易問題が議論されるのを控え、貿易交渉の閣僚級会合が25日夜、東京都内であった。今回の首脳会談で交渉の大きな進展はないとみられているが、成果を焦るトランプ大統領がむちゃな要求を言い出さないよう、閣僚級での「前進」をアピールしたい思惑が双方にある。

 茂木敏充経済再生相とライトハイザー米通商代表が、約2時間半会談した。冒頭、茂木氏は、壁に掛けた米ペンシルベニア州ピッツバーグのアメリカンフットボールチームのユニホームを示し、「ラストベルト(さび付いた工業地帯)を元気にしたいという私の願いの象徴だ」と述べた。トランプ氏支持者の多いラストベルトの話題で、場を和ませようとした。

 関係者によると、米国が引き下げを求める日本の農産物の関税や、日本が求める米国の自動車関税の引き下げなどを議論し、日本側は事務レベルで交渉を加速させることも提案した。茂木氏は会談後、「双方の立場や考え方への理解がさらに深まった」と話す一方、「27日の(首脳会談の)段階で何か合意するということにはならない」と述べ、合意にはまだ時間がかかるとの見通しを示した。2人は首脳会談に同席する。

 農産物の関税引き下げを最大でもTPP(環太平洋経済連携協定)の範囲内にとどめたい日本は、今夏の参院選後まで決着を先延ばししたい考えだ。米国も当面は中国との通商協議に注力する構えで、いま強硬な要求を掲げて日本を硬化させるメリットは少ない。米政権高官は22日、「今回のトランプ氏訪日の焦点は貿易ではない」と強調した。

 そんな状況で閣僚級会合を開いたのは、「交渉が進んでいないとトランプ氏から批判されるのを避ける」(日本政府関係者)狙いもある。

 とはいえ、トランプ氏がTP…

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