性器連呼の子、どうする?「パンツの教室」で学ぶ性教育

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池上桃子
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 「性」の情報を簡単に得られるインターネット社会だからこそ、親から子どもに正しい知識を伝えたい。そんな思いから、家庭での性教育を広める活動をする女性がいる。昨年から性教育の講座を開く熊本県八代市の会社員、上田あみこさん(43)。「性教育は知識のお守り。あなたを大切に思っていると伝えるメッセージにもなる」と話している。

 熊本市内の会議室に3月、30~40代の女性4人が集まった。「先日、小学生の娘に生理のことを教えました」「息子が小学校で女性器の名前を覚えてきて、家で連呼する。言わんで!と頭ごなしに言うのも否定している気がして……」

 悩みが打ち明けられたのは、上田さんが開く「パンツの教室」の体験会だ。上田さんは家庭での性教育を広める「とにかく明るい性教育 パンツの教室協会」(東京都・のじまなみ代表)のインストラクターの1人。熊本県内で講座を開いている。

 「否定したり怒ったりせず、まずは『よく知っているね』と褒めてあげましょう。その上で、人によってはその言葉を聞きたくない人もいるから、お外では言わないようにしようね、と教えてあげましょう」と上田さんが語りかけた。「性に関する話題で親が怒ったり困ったりしているのを見ると、子どもは『この話題は話してはいけない』と思ってしまうことがあります」

 「パンツの教室」の講座は全国で広がりつつあり、約190人のインストラクターがいる。望まぬ妊娠を防ぐことが大きな狙いのひとつだ。性について親子で日常的に話せる信頼関係を築けるように、親と距離を置く思春期に入る前の3~10歳から性教育を始めるよう推奨している。

 性犯罪を防ぐことも性教育の目的の一つ。子どもを狙う大人もいるという事実を伝え、被害に遭いそうになった時や、実際に遭ってしまった時は、大人に相談するよう伝える。

 上田さんの講座にも、幼い子を育てる夫婦や保育士、助産師など様々な人が参加している。3月に参加した30代の女性はまだ子どもがいないが、「自分の子ども時代を振り返ると親と性の話をした記憶はない。自分に子どもができた時のために、家庭でどんな風に話せばいいか知っていたら心強い」と話す。

 3人の子どもを育てる30代の女性は「子育ての悩みを話し合えるママ友同士でも、性に関することだと話しづらいこともあるんです。講座に来ると、気軽に話し合えるからいいな」。

 上田さんは言う。「講座を受けてくれたお母さんたちがほっとしたり、笑顔になったりしてくれる。安心して悩みをシェアできる場を広げていきたい」

■望まれて生まれた自己肯定感…

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