虐待する親は鬼畜?加害性は全員持ってる 犬山紙子さん

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 「しつけのために子どもをたたくこと」をあなたはどう思いますか? 今国会で、親の体罰を禁止する法案が成立する見通しです。「孤立したら、私だって体罰をするかもしれない」。子育てに関する取材をしている朝日新聞「#ニュース4U」取材班が、2歳の娘を育てるエッセイストの犬山紙子さんにしつけについて話を聞きました。

いぬやま・かみこ 1981年生まれ。エッセイスト。雑誌やテレビで幅広く活躍。児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「こどものいのちはこどものもの」でも活動。著書に「負け美女 ルックスが仇(あだ)になる」(マガジンハウス)、「アドバイスかと思ったら呪いだった。」(ポプラ社)など。

ワンオペだったら、逃げ場がない

 子育てしていると、みんなあると思うんですよ。「私、これで正しいのかな?」と思う時が。私の場合「自分は甘いんじゃないか」です。例えばですけど、子どもがゼリーを2個食べたいと言ってきた時にあげちゃうとか。

 娘はいま、「イヤイヤ期」。「服を着たくない」「これしたくない」という時、「ちがうっ」「ちがうっ」と言います。娘の目線に立とうとするけれど、「どうしてあげたらいいんだろう」とわからなくなる時もあります。

 でも娘をたたきたいと思わないのは、夫や周囲のサポートのおかげもあると思います。夫の方が子どもをみてくれているので、そこで生まれた心の余裕。1人で育児や家事を担う「ワンオペ」だったらこんな悠長なことは言っていないかもしれない。1対1だと逃げ場がありません。

 私は20代の時、母をワンオペで介護しようとして、めっちゃ失敗しているんですよ。自分の時間は全くないし、心が本当に壊れそうになって、簡単に潰れちゃって。ヘルパーさんや周りに助けてもらった。その失敗があったから、妊娠中から夫と話をし、周りに助けてもらえる態勢を育児では整えました。本当に一回失敗したおかげ、お母さんのおかげです。

「暴力性ない」と言うと全てひとごとに

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 でも、私だってひどい子育て…

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