日韓首脳会談、異例の見送りか 河野外相「現状難しい」

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パリ=鬼原民幸 ソウル=武田肇
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 韓国大法院(最高裁)が日本企業に対し、元徴用工らへの賠償を命じた判決をめぐり、河野太郎外相は23日、現状のままでは6月に大阪市で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせた日韓首脳会談は難しいとの見方を示した。国際会議の議長国は通常、参加国と二国間会談を行う。韓国との会談を見送れば、異例の対応になる。

 日本政府は韓国政府に対し、日本企業に被害が出ないような対応策を講じるか、日韓請求権協定に基づいて第三国を交えた仲裁委員会の設置に応じるよう求めている。河野氏は訪問先のパリで記者団に「G20に文在寅(ムンジェイン)大統領がいらっしゃるでしょうから、そこまでに解決されているのが望ましい」と語った。日本側の要求に応じない限り、G20首脳会合に合わせた日韓首脳会談はできないという考えだ。文氏は10日、G20首脳会合で「安倍晋三首相と会談できればよいと思う」と述べていた。

 河野氏は23日、パリで韓国の康京和(カンギョンファ)外相と会談し、激しい応酬を繰り広げた。河野氏は冒頭、韓国外交省報道官が23日の記者会見で「日本企業が大法院の判決を履行する場合、何の問題もない」と述べたことに触れ、「事の重大性を理解していない大変な発言だ」と厳しく批判した。

 康氏は「日本は被害者(元徴用工)の苦痛と傷を癒やす努力をすべきだ」と主張。これに対し、河野氏は「個人の感情を優先するのではなくて、国交の基礎になっている国際法に違反する状況を速やかに是正する必要がある」と反論した。また、河野氏は仲裁委員会の設置に応じることを求めたが、康氏は応じず、会談は平行線に終わった。

 判決を踏まえた韓国政府の対…

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