傷痕残る会場でポルノは叫んだ「ここが僕らのふるさと」

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原田悠自
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 西日本豪雨の被災地に、ライブの収益金を寄付した人気バンド「ポルノグラフィティ」のボーカル・岡野昭仁(あきひと)さん(44)と、ギター・新藤晴一(はるいち)さん(44)が、朝日新聞のインタビューに応じた。2人は広島県尾道市にある因島(いんのしま)出身。被災した故郷への思いや、災害後の葛藤を語った。

 「本当に甚大な被害だった」「故郷でそういう光景を見たのは初めてだった」

 昨年7月の豪雨で、因島の各地でも土砂災害が起き、断水も1週間以上続いた。2人は現地を見て衝撃を受けた。

 発災時、メジャーデビュー20周年を記念した尾道市での凱旋(がいせん)ライブが、2カ月後に迫っていた。このまま開催していいのか――。周囲と議論を重ねるなかで、「この時期に広島でライブをすること自体が、広島出身の2人の運命や使命なんじゃないか」という声が上がった。ライブの収益を寄付する環境が整い、「やるしかないと思えた」(新藤さん)。

 昨年9月8日のライブ初日。豪雨の傷痕が残るものの、豊かな自然に囲まれた屋外の会場に集まった多くの人を見て、岡野さんは「ここが僕らのふるさと。見てください!」と声を張り上げた。「思った以上に故郷でのライブは幸せな時間だった。数多くのライブをしてきた中でも、初めての感情だったような気がします」

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 しかし翌日、大雨で避難勧告…

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