被差別部落出身の弁護士が自伝「痛み知れば人は変わる」

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編集委員・北野隆一
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 被差別部落に生まれ育ち、差別と闘いながら、人権や平和を守る活動に尽くしてきた中山武敏弁護士(75)が自伝「人間に光あれ」(花伝社)を出版した。タイトルは、部落解放運動の原点である水平社宣言からとった。

 福岡県の炭鉱町で生まれた。父重夫さんが靴の修理を、母コイトさんが廃品回収をしながら生計をたてた。学校で「お前のところは火の玉が出てこわいところだ」と言われたり、リヤカーに廃品を載せて歩く母は近所から心ない言葉を投げられたりしたという。

 部落解放運動に取り組んだ父が「法の下の平等」を説く憲法14条を自宅の壁に貼るのを見て、弁護士を志した。高校定時制、大学夜間部を卒業し司法試験に合格。「困難から逃げてはいけない」「大切なことは人としての温かさだ」という考えを身につけたという。

 弁護士になって狭山事件の主…

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