予想外のプラス成長も「内実は悪い」 GDP統計のなぜ

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湯地正裕
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 内閣府が20日朝に発表した2019年1~3月期の実質国内総生産(GDP)の1次速報値は、2四半期連続のプラス成長となった。GDPの公表前から中国経済の減速で輸出や生産は落ち込み、他の経済指標は景気減速の兆候を示していた。事前の民間エコノミストの予測では、「マイナス成長になる」との見方もあった。それを覆す結果に、市場では「ポジティブサプライズ」との声も出て、日経平均株価は一時上げ幅を拡大した。だが内実は異なり、株価の伸びは徐々に縮小した。一体、何が起きたのか。

 GDPが公表されたのは、週明けの東京株式市場の取引が始まる直前の20日午前8時50分。物価変動を除いた実質GDP季節調整値)は、前期(18年10~12月期)より0.5%(年率2.1%)のプラスだった。民間予測を上回る成長率のプラス幅だったため、日経平均は午前9時過ぎに一時、前週末終値の約180円高まで上昇した。市場では「海外経済の沈降圧力に、日本経済が抵抗力を示したポジティブサプライズだった」(SMBC日興証券の丸山義正氏)と好感する動きが出た。

 しかしGDP統計の中身が精査されると、そうした声は徐々にしぼんでいった

 GDPの個別項目を見ると、日本経済を支える主要項目はいずれも低調だった。民間消費は前期比0.1%減、設備投資は0.3%減、そして輸出は2.4%減だった。

 輸出を対をなす輸入は、国内での消費や生産活動が低調だったため、前期比4.6%減となった。

 輸入の「増加」は統計上、GDPを押し下げる効果がある。今回は、輸入の「減少」が大きく、統計上はGDPを押し上げる方向に働いた。

 輸入減、輸出減はいずれも経済活動の停滞を示している。そのため、エコノミストが統計を読み込むにつれ、「力強さはない」「内実はそれほどよくない」との見方が急速に広がった。

 野村総合研究所の木内登英氏は「個人消費など民間最終需要は総じて弱めだ。実際の内容は見かけよりもかなり悪い」という。

 企業の在庫の動きを示す在庫投資は成長率に0.5%プラスに寄与した。モノが売れそうだから在庫を増やしたのであれば問題はないが、景気減速でモノが売れないために在庫が積み上がる「意図せざる在庫投資増」だった可能性も指摘される。となれば景気にはマイナスだ。

 輸出を上回る輸入の減少率や在庫投資の増加は、GDPの数値を押し上げはしたが、景気減速を強く懸念させるデータとして、市場に不安感を広げた。

 そうした不安は株価の動きに…

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