「伸二を見ると若手は現実を知る」コンサドーレ札幌社長

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中小路徹
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北海道コンサドーレ札幌社長・野々村芳和さん(47歳)

 昨年、クラブ史上最高となるJ1の4位へ躍進。それだけではない。2013年の社長就任時に平均約1万人だったホームゲームの観客数が、昨年は約1万8千人に。売り上げも今年1月期決算では約30億円と、就任時の3倍になった。39都道府県55クラブに広がるJリーグにあって、今、最も勢いを感じさせるクラブをリードする。

 開幕27年目のJリーグでまだ数少ない元プロ選手社長の1人だ。ジェフ市原(現・千葉)と札幌でリーグ154試合に出て、01年に引退した。

 「圧倒的な応援下だと、勝てる感じがする」。現役時はサポーターの大切さを勝負師目線でとらえていた。別の認識を植え付けたのは、10年間の解説者生活。日本、欧州を合わせ年間200試合を見続け、「勝敗と別に、いつもスタジアムに来るサポーターがクラブの財産。その人たちの空気を感じたくて、新しい人たちが来る」とわかる。

 「クラブを自分の子のようにみられるサポーターはクラブから本当の幸せを受け取る。逆に、クラブは勝利を目指す以外にも地域のためにならないといけない。その関係がなくなったら、ただのエンターテインメント会社」

 コンサドーレとは、外からアドバイスする関係を維持してきた中、取締役から社長就任を打診されて受けたのが、12年シーズン終了後。4勝28敗2分けの惨憺(さんたん)たる成績でJ2降格が決まっていた。

 まずサポーターとの一体感から。13年のキャンプ最初の練習試合メンバーをファン投票で決めた。「現場は面倒くさい。でも、応援してくれる人たちと一緒にやるのがクラブだと、選手、監督に伝えなければいけなかった」

 14年に小野伸二、15年に…

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