ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」などで知られるトレンドマイクロにハッキングを仕掛けたとされる謎のハッカー集団「Fxmsp」。このハッカーは一体、何者なのか? サイバーセキュリティー担当の専門記者が、その実像に迫ります。
トレンド社などセキュリティー会社3社がハッキングされ、ウイルス対策ソフトのプログラムコードなどが盗まれた可能性を指摘したのは、アドバンスト・インテリジェンス社という米ニューヨークに拠点のあるセキュリティー企業だ。
ア社の報告によれば、ハッカー集団Fxmspは、ロシア語と英語を使う人物で構成されているといい、2017年ごろからロシア語のインターネット闇サイトを中心に活動しているという。セキュリティー業界では「ロシア系ハッカー」とみられているようだ。
このハッカーが世界各国の政府や企業の機密情報を盗み取っては、闇サイトで販売を繰り返していた。ア社の調査では、これまでに100万ドル相当の利益を得ており、その技術力は「トップクラス」だという。
ただ、ハッカーの世界で広く知られた存在かと言えば、そうでもないようだ。米国や日本企業から闇サイトの調査を個人で請け負っているホワイトハッカーの日本人男性は、「今回のニュースで一躍有名になった」と説明する。
「これですね」
男性は記者とのチャットで…
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