「途上国も幸せになる消費」マザーハウス山口社長は願う

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聞き手=末崎毅
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 2020年東京五輪パラリンピックや大会後を見すえ、解決したい課題や取り組みたい活動を、企業トップらに聞きました。

マザーハウス・山口絵理子社長

 マザーハウスを起業したのは、ジュート(黄麻)という素材を使った運搬用の袋がバングラデシュの劣悪な環境で安く大量生産されているのを目の当たりにし、「もっと付加価値のあるものができるのではないか」と思ったのがきっかけです。

 安値で仕事を依頼されて泣いている工場を、バングラでたくさん見てきました。コストを抑えるために途上国でつくる会社は多い。特にジュエリーは、児童労働などが絡むこともあります。

 日本では、きらびやかなモデルが着ている服に980円の値段がついている。それは強制労働のかたまり、象徴かもしれません。知らないで買うのはしょうがないですが、いったん生産現場を見ると気持ち悪さは抜けません。

 うちのバングラデシュやインドネシアの工場や工房では、バッグやジュエリーなどクラフトマンシップに根づいたものづくりをしていて、桁違いにコストが高い。いい素材を使うし、職人技も求める。その国で最も付加価値が高いものを手仕事でつくっているつもりです。

 職人には「コストは心配しないで」と伝えています。うちは直営店がありますし、お客様に説明できますから。ちゃんとした環境でつくっていることを見せることができるのはプラスの価値を生みます。

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 こうしたストーリーに共感し…

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