車暴走、保育士は「盾」なのか 吐露したやるせなさ

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林幹益
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 きょうも残業だった。東京都内に住む保育士の女性(25)は15日夜、自宅に戻り、テレビをつけた。

 千葉県市原市の公園で、突っ込んできた車から園児をかばい、女性保育士が重傷を負ったニュースを放送していた。勇気ある保育士の行動が大きく取り上げられていた。

 ネットでは「盾になった保育士さん、すごい」とたたえる声が目についた。女性は「子どもたちのことを常に考えているからこそ、とっさに体が動いたんだ」と、同業として誇らしく思った。でも何か、もやもやした。

 「事故をうけて、現場の保育士であるぼくたちが不安なのは、親御さんや世間が『保育士は命をかけて当然』と思ってしまうこと 僕たちも一人の人間で、たいせつな親がいてたいせつな子供がいる 事故が起きたらきっと咄嗟(とっさ)に盾になる我々ですが、世間が保育士を『盾』として扱うのはやめてほしい」とツイートした。

 月に1、2度のつぶやきは、独り言の、愚痴のようなもの。フォロワーはわずかで反応が届くこともまずない。今回は違った。2日もたたずにリツイートが7万、「いいね」が16万を超した。怖くなるような拡散ぶりだった。

 保育士6年目。子どもが好きで中学生のころから、将来の夢は保育士以外にはありえなかった。ただ職場の現実は厳しかった。残業続きなのに給料は低い。「世間に評価されていないのかな」。前に勤めた保育所では、上司のパワハラでうつ病にもなった。

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 救いは園児たちの笑顔だ。保…

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