白血病の新薬、重い副作用も 識者「画期的だが慎重に」

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西村圭史 大岩ゆり
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 従来の治療がきかなくなった白血病患者らへの新たな治療法「CAR(カー)―T細胞療法」の製剤キムリアが15日、公的医療保険の適用対象となることが決まった。公定価格は3349万3407円。遺伝子治療技術を使う初の製品として期待されるが重い副作用もあり、慎重な使い方が求められる。過去最高となる薬価にも注目が集まっている。

 この日に開かれた中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)の総会で決まった。キムリアは、体内の異物を認識して攻撃する免疫細胞「T細胞」を患者からとり出し、がん細胞を攻撃するよう遺伝子を加えて戻す治療薬。ノバルティスファーマ(本社スイス)が開発した。

 治療の流れはこうだ。まず、国内の病院で3~4時間かけて患者から白血球をとる。院内の細胞処理施設で「T細胞」を分離して凍結保存し、米ニュージャージー州にあるノバ社の施設に送る。そこで、T細胞にがん細胞を攻撃するよう遺伝子操作をしてキムリアを製造。日本の病院に送ってもらい、白血球をとりだした患者の体内に点滴で入れる。点滴は30分弱で終わる。期間は約2カ月かかるという。

 対象となるのは、従来の治療がきかなくなった、白血病とリンパ腫の一部。ノバ社は患者数などから最大で年間216人と見込む。白血病では、急性リンパ性白血病の大部分を占める「B細胞」という血液細胞の一種ががん化したタイプで、25歳以下の患者に限る。リンパ腫は、全リンパ腫の約3分の1を占める、やはり「B細胞」が原因の「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」タイプで年齢は問わない。半数近くが再発したり、難治性になったりするとされる。

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 今後、同じ「B細胞」ががん…

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