産廃不法投棄との「闘い」とアート 瀬戸芸、豊島の魅力

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尾崎希海
【動画】STU48の磯貝花音さんと門脇実優菜さんが豊島を体感=西田堅一、安冨良弘撮影

 瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」と各地の魅力を紹介する「瀬戸リスト」。今回の訪問先は、「瀬戸内国際芸術祭」の舞台である香川県・豊島(てしま)。磯貝花音さん(18)=愛知県出身=と門脇実優菜さん(16)=兵庫県出身=が、島の歴史とアートを体感しに足を運んだ。

豊島の美しい風景

 瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内海に浮かぶ12の島々を主会場に、3年に1度開かれる現代アートの祭典だ。島の歴史や文化を知れば、アートをより深く理解できる。

 2人が訪れた豊島は、800人ほどが暮らす小さな島。青々とした山と棚田が広がる。「景色がきれい」と磯貝さんは感激し、門脇さんは「初めて来た!」と跳びはねた。2人は棚田に続く道を、手をつなぎながら歩いた。撮影の仕事などで一緒に過ごす機会が多い2人。「仲良しなんです」とにっこり笑った。

島を襲った不法投棄、40年の闘い

 一見のどかな豊島だが、かつては産業廃棄物の不法投棄事件の現場になった。1980年ごろから、車の破砕ごみや廃油などが、島外から大量に持ち込まれた。野焼きの黒い煙と異臭が集落を覆い、子どもたちはぜんそくに苦しんだ。いまの美しい姿があるのは、島の人たちが産廃の撤去と自然の回復を求めて闘いつづけたからこそだ。

真っ黒な地層、「産廃の壁」に圧倒され…

 現場近くの「豊島のこころ資料館」で、40年あまりにわたる島の人たちの活動が学べる。一角に人間の身長の3倍近い「壁」があった。

地層のように積み重なった産廃の一部をはぎ取り、展示したものだ。金属の欠けらやタイヤ片が交ざりあい、真っ黒な層をつくっている。2人の目は釘付け。門脇さんは「ひどい……。当時の島の人たちはきっと、すっごく大変だったと思う」とぽつりと話した。

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