「村八分になっても…」 過疎の島、未来開いた一騎打ち

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三浦惇平
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 少子高齢化に直面する地方自治体。4月の統一地方選では、地方創生も大きなテーマとなりました。そんな中、「地方創生のトップランナー」と呼ばれている離島があります。日本海に浮かぶ隠岐諸島に位置する島根県海士(あま)町です。かつて人口流出が止まらなかった町は、海産物を冷凍する施設を作ったり、高校に島外の生徒を呼び込んだりして活気を作り、Iターン移住者は過去15年間で650人を超えました。町を変える分岐点となったのが、17年前の町長選です。選挙が町にどんな変化をもたらしたのか。地方に共通する課題解決のヒントを探るため、統一地方選前の3月、26歳の記者が海士町を歩きました。

出馬要請「町を変えられるのはあなただけ」

 鳥取県境港市から船で約3時間。肌寒さの残る3月上旬、日本海に浮かぶ海士町の外湾では、漁船が養殖いかだの間を進んでいた。漁港は磯の香りに包まれ、水揚げした特産の岩ガキが手際よく出荷されていく。

 海士町はかつて、典型的な過疎の離島だった。

 1950年には7千人近かった町の人口は、90年代に3千人を切った。若者を中心に人口流出が加速し、町を引っ張る新しいリーダーが求められていた。

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 2002年5月の町長選に立…

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