スポーツ総本山解体へ モスクワ五輪不参加に選手泣いた

有料記事

吉永岳央
[PR]

 日本スポーツ協会(JSPO)と日本オリンピック委員会(JOC)が東京・神宮外苑に建設し、両団体はじめ60以上のスポーツ関係団体の事務局などが入る新会館、「ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア」の完成式典が16日にあった。新会館が完成したことで、スポーツ団体の事務局が集まり、日本スポーツ界の総本山だった岸記念体育会館(東京都渋谷区)は約半世紀の役割を終え、解体される。

 日本レスリング協会の高田裕司専務理事(65)は、「建物が新しくなっても、中身が古くては意味がない。大切なのは、東京五輪後、国に頼るのではなく、競技団体がしっかり自分たちの足で立てるかどうか」と言う。

 1980年モスクワ五輪ボイコット問題も、岸記念体育会館が舞台となった。五輪連覇を狙っていた39年前、ここで流した涙を、高田さんは今も鮮明に覚えている。「空しくなってね。何でこんなことしているんだろうって」

 80年4月21日。前年のソ連によるアフガニスタン侵攻で、日本政府はモスクワ五輪参加を望ましくないとしていた。これに反対するコーチ、選手ら91人の緊急集会が開かれた。「訳も分からず後ろの方に座っていた」という高田さんに、マイクが回ってきた。

 「オリンピックのために、毎…

この記事は有料記事です。残り783文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら