翁長前知事が銀座で浴びた罵声 政治姿勢の転換、本音は

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政治部 山下龍一
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取材考記

 「僕は記者には話さないから」

 2年前の2017年4月、沖縄に赴任した私は当時の翁長雄志知事が県庁に出勤してきたところをつかまえた。名刺を渡し、天気模様などの雑談から始めようとしたが、あっさり断られた。

 その後、各所で待ち構えては取材を試みた。「話し始めたらきりがないでしょ」。こう断られるのが常だった。

 翁長氏は14年、知事に就任。米軍普天間飛行場宜野湾市)の名護市辺野古への移設を阻止するために政治家人生のすべてを賭け、18年8月、亡くなった。

 孤高の人だった。県議会へ根回しをせずにトップダウンで物事を決める。会見以外のオフレコ取材にも応じない。晩年は彼の本音を聞いた記者も与党議員もいなかったのではないか。「彼は政治的な裏切りを見過ぎていて、人を信用していない」。ある地元紙のベテラン記者はこう解説していた。

 それでもどうしても聞きたいことがあった。

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 翁長氏は長く地元の自民党県…

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