4人に1人以上が外国生まれのオーストラリアで、与党・保守連合政権が移民受け入れ抑制策を打ち出した。大都市の人口過密化が理由だが、多様性を大事にしてきた社会に矛盾するような動きには批判も出ている。(シドニー=小暮哲夫)
シドニー中心部から西に電車で30分の住宅地、ストラスフィールド地区で駅前を行き交う人々は、アジア系や中東系が目立つ。
「この国のルールを守れるなら移民を受け入れるべきだ。人は人でしょ」
トルコ出身で、豪州に住んで10年になるマット・イルマズさん(34)は新たな移民抑制策に不満げだ。
政府は3月、2012年から設けてきた永住権を与える移民の受け入れ枠を、年19万人から16万人に減らすと発表した。モリソン首相は「都市部の人口増による混雑の問題に取り組む」と説明した。
外国生まれが多数派の街
政府の統計局が17年6月までの1年間で分析したシドニーの人口増加要因は、83・9%が移民。人口約4万人のストラスフィールドでも豪州生まれは37%にすぎず、インドや中国、韓国など外国生まれが多数を占める。
人口増は住宅価格に影響する…
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