「関税男」と誇るトランプ氏 負担は米小売業と消費者に

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ワシントン=青山直篤 ニューヨーク=江渕崇
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 トランプ米大統領が対中追加関税の引き上げに踏み切ったことで、足元の米国経済や家計にも大きな負担になりそうだ。

 「関税男」を自任するトランプ氏は5日のツイートで、「中国の関税の支払いは米経済にすばらしい結果をもたらした」と誇った。ただ、関税は実際には、米側の輸入業者が納める。輸出側が実質的に負担することもあるが、すべては転嫁できないため、米企業は、もうけを減らすか、消費者に負担を回すことになる。

 なかでも直撃しそうなのはネット販売急伸のあおりで低迷する米小売業界だ。

 10日に追加関税が10%から25%に引き上げられた2千億ドル分(約22兆円)分の第3弾は、ハイテク部品が中心だった第1弾、第2段と異なり、食品や衣料、家具など暮らしに密着した品目が多いためだ。追加関税で「需要が減り、ただでさえピークの閉店ラッシュを加速させる」(米アナリスト)との予測も出ている。小売り最大手ウォルマートや「1ドルショップ」の大手「ダラー・ゼネラル」は、追加関税を前に在庫を買い増したと報じられている。

 「中国の貿易慣行は改めさせたいが、米国人を痛めつけるのはめちゃくちゃだ」。全米小売業協会の幹部デービッド・フレンチ氏は憤る。

 家計の負担も高まる。衣料品を扱う米アパレル・フットウエア協会は、追加関税で4人家族なら年500ドルの負担増とはじく。リック・ヘルフェンベイン会長は「大統領は追加関税を取り下げ、中国との交渉に集中すべきだ」と反発する。

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