日朝会談めざす首相方針変えず 「弾道ミサイル」断定で

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ソウル=神谷毅 ワシントン=園田耕司 鬼原民幸
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 北朝鮮が9日に強行した短距離弾道ミサイルの発射は、北朝鮮の非核化へ向けた協議が停滞する米国に難しい判断を突きつけた。かつての「瀬戸際外交」にも似た戦略に、来年の米大統領選を見据えるトランプ大統領は不快感を示した。米朝の軍事的な緊張が高まる恐れもあり、協議再開はさらに見通せなくなった。

 北朝鮮はハノイで2月末にあった2回目の米朝首脳会談が物別れに終わった後、挑発のレベルを、少しずつ、確実に高めてきた。

 3月初旬、東倉里(トンチャンリ)のミサイル施設を復旧させる動きを見せた。4月には寧辺(ヨンビョン)の核施設で核物質を運搬する動きを続けた。さらに金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が新型の戦術誘導兵器の試射などを視察。今月4日にミサイルの可能性がある飛翔(ひしょう)体、9日には短距離弾道ミサイルを相次いで発射した。

 北朝鮮の一連の動きについて、非核化協議で北朝鮮と長く向き合った韓国の元政府高官は、4月に正恩氏が、3回目の米朝首脳会談を行うには米国が年内に譲歩することが必要だと表明したのを重視。「次は中距離、長距離のミサイル、そして核実験と、北朝鮮は年末にかけて挑発のレベルを上げるだろう」と述べ、北朝鮮が米朝協議で米国に譲歩を促すため、緊張を高めていく可能性を指摘する。

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 北朝鮮は、大陸間弾道ミサイ…

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