「習政権の今後を左右」 米中対立、識者はこう見る

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聞き手・高田正幸 聞き手・福田直之
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「大きな隔たり、明白」(慶応大学総合政策学部・加茂具樹教授〈現代中国政治〉)

 米中対立は単なる貿易紛争ではなく、中国の知的財産権保護に対する姿勢など幅広い問題に広がっている。トランプ氏は「約束をやぶった」として中国を批判するが、(その約束とは)何を指しているかもはっきりしない。

 米国が中国に求めている、知的財産の保護対策の一層の具体化や、国有企業への優遇措置のさらなる見直しについて、両者の隔たりが大きいことは明確だ。中国がこうした問題への対策を法律で明文化するよう米側は求めているようだが、受け入れれば中国は経済政策の柔軟性を奪われてしまう。法律で明確な基準を設けることで、米側が「合意違反」と批判する余地も広げてしまう。

 トランプ氏と習近平(シーチンピン)氏の直接対話による解決は技術的には可能だが、政治的には難しい。米国の要求をのんだ形で合意を結び、中国経済に悪影響があった場合、習氏の責任が明確になってしまう。「米国に屈した」という印象を与えてしまうことも痛い。

 とはいえ、合意に至らずに関税引き上げが続くのも中国経済にとってはマイナスだ。どちらの道を選んでも、経済悪化が失業率の増加につながれば、体制批判につながりかねない。習氏は、政権の今後を左右しかねない難しい状況を迎えている。(聞き手・高田正幸)

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■「でたらめなことするなら自…

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