離婚での子の引き渡し、同居の親不在でも可能に

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浦野直樹
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 改正民事執行法が10日、参院本会議で全会一致で可決され、成立した。国内での離婚に伴う子どもの引き渡し手続きの明確化と、養育費や賠償金の不払いを防ぐ仕組みの導入が柱で、原則として1年以内の施行を目指す。これにあわせ、国境を越えて連れ去られた子の取り扱いを定めた「ハーグ条約」の実施法も改正された。

 民事執行法は、民事上の権利を実現する裁判所の強制執行の手続きを定める法律。民事裁判で勝訴したり、公証役場で約束をかわしたりしたのに相手が履行しないケースでは、裁判所に強制執行を申し立てて権利の実現を目指すのが一般的だが、実効性を確保するのが難しく、法整備が課題となっていた。

 子どもの引き渡しは現行法にルールがなく、「動産の引き渡し」の規定で対応してきた。裁判所の執行官は、親権者から申し立てがあれば、親権を失った親と同居する子を強制的に連れ出し、親権者に引き渡してきた。ただ執行は、同居する親が一緒にいる時に限るという条件で運用してきたため、故意に不在にされるなどして失敗する例が少なくなかった。

 改正案ではこの条件を逆転させ、引き渡しに親権者が立ち会えば、子と同居する親が不在でも連れ出せる規定を盛り込んだ。ハーグ条約の実施法も同様に規定を見直す。

 養育費や賠償金の不払いへの…

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